「特定技能の外国人材を採用したいが、結局いくらかかるのか分からない」——これは企業の人事担当者からもっとも多く寄せられる質問です。人材紹介手数料、登録支援機関への委託費、ビザ申請費用など、関わるコストが多岐にわたるため、全体像を把握しづらいのが実情です。

本記事では、特定技能外国人材の採用にかかるコストを「初期費用」と「月額ランニングコスト」に分けて整理し、登録支援機関への委託と自社支援の費用差を具体的に比較します。

コスト構造を正確に理解することで、自社にとって最適な採用・支援体制を判断できるようになります。

1 特定技能の採用コスト全体像

特定技能外国人材を採用する際のコストは、大きく3つのフェーズに分かれます。

採用フェーズ

人材紹介手数料
渡航費・ビザ申請費

支援フェーズ

登録支援機関委託費
or 自社支援の運営費

管理フェーズ

在留資格更新費
定期届出・報告費用

このうち、企業が最もコントロールしやすく、かつ削減効果が大きいのが「支援フェーズ」のランニングコストです。登録支援機関に委託するか、自社で支援体制を構築するかで、年間数十万〜数百万円の差が生まれます。

2 初期費用の内訳と相場

費目 相場 備考
人材紹介手数料 年収の20〜35%
または30〜60万円/人
紹介会社により異なる。在日人材は低め、海外からの新規は高め
送出機関への手数料 10〜30万円/人 海外から招聘する場合のみ。国によって異なる
渡航費(航空券等) 5〜15万円/人 海外からの場合。在日人材は不要
在留資格申請費用 10〜20万円/人 行政書士に依頼する場合の報酬含む
住居初期費用 15〜30万円/人 敷金・礼金・家具家電等。社宅がある場合は軽減
合計(目安) 60〜155万円/人(海外招聘の場合)
40〜80万円/人(在日人材の場合)

ポイント:初期費用は紹介会社やルートによって大きく変動します。複数社から見積もりを取り、内訳を細かく確認することが重要です。「パック料金」で一式と提示される場合は、何が含まれているか必ず確認してください。

3 月額ランニングコストの比較

特定技能外国人材を雇用する企業には、法律で定められた「1号特定技能外国人支援計画」の実施が義務付けられています。この支援を誰が行うかで、月額コストが大きく変わります。

登録支援機関に委託

支援委託費 2〜5万円/人・月
5名の場合 10〜25万円/月
年間コスト 120〜300万円

※委託費は機関により差が大きい。安すぎる機関は支援内容が不十分なケースも

コスト削減

自社支援(SaaS活用)

SaaSツール利用料 数千円〜/人・月
5名の場合 数万円程度/月
年間コスト 数十万円程度

※自社で支援体制を構築する必要あり。管理ツール(SMILEVISAなど)を活用すれば業務負担を大幅に軽減可能

受入れ人数が増えるほど、委託費と自社支援のコスト差は拡大します。5名以上を継続的に受け入れる企業では、自社支援への切替を検討する価値が十分にあります。

4 自社支援への切替でコストはどう変わるか

「自社支援」とは、登録支援機関に委託せず、自社で1号特定技能外国人支援計画を実施する体制のことです。法律上、以下の10項目の支援を自社で行うことが求められます。

事前ガイダンスの実施
出入国時の送迎
住居確保・生活支援
生活オリエンテーション
日本語学習機会の提供
相談・苦情対応
日本人との交流促進
転職支援(雇用契約終了時)
定期面談(3ヶ月に1回以上)
行政機関への届出

項目だけ見ると負担が大きそうですが、クラウド型の管理ツールを活用すれば、書類の自動生成・面談スケジュール管理・届出書類の作成などを効率化でき、実務負担を大幅に軽減できます。

2026年1月の行政書士法改正について:従来、登録支援機関が担っていた書類作成業務の一部が行政書士の独占業務と明確化されました。これにより、支援機関への委託費に加えて行政書士費用が別途必要になるケースが増えています。自社支援+管理ツールの組み合わせは、この法改正への対応策としても注目されています。

5 見落としがちな隠れコスト

見積書に載らないコストも把握しておくことが重要です。以下は特に見落とされやすい項目です。

早期離職リスク

採用後3ヶ月以内に離職した場合、初期コストが丸ごと損失になります。定着率の高い紹介会社を選ぶこと、入社後の支援体制を整えることが結果的にコスト削減につながります。

在留資格更新費用

特定技能1号は最長5年ですが、在留期間は1年・6ヶ月・4ヶ月のいずれかで付与されるため、更新手続きが定期的に必要です。行政書士に依頼する場合、1回あたり数万〜10万円程度かかります。

社内研修・教育コスト

日本語補習、業務マニュアルの多言語化、OJT担当者の時間コストなど。直接的な外部支出ではありませんが、受入れ部門の負担として認識しておく必要があります。

6 3年間のトータルコストシミュレーション

特定技能人材5名を3年間雇用するケースで、登録支援機関委託と自社支援(SaaS活用)のトータルコストを比較します。

費目 委託パターン 自社支援パターン
初期費用(5名) 300万円 300万円
支援費(3年間) 540万円
3万円×5名×36ヶ月
数十万円程度
SaaS利用料のみ
在留資格更新(3回想定) 75万円 75万円
3年間合計 約915万円 約400万円台

※上記は一般的な相場をもとにした概算です。実際のコストは紹介会社・支援機関・利用するSaaSツールによって異なります。正確な比較には、個別の見積もりが必要です。

7 自社に合った選び方

登録支援機関への委託が向いているケース

  • 初めて特定技能人材を受け入れる(ノウハウがない)
  • 受入れ人数が1〜2名で、専任担当を置けない
  • 多言語対応が社内では難しい

自社支援への切替が向いているケース

  • 受入れ人数が3名以上で、スケールメリットが出る
  • すでに1〜2年の受入れ経験があり、基本業務に慣れている
  • 支援の質を自社でコントロールしたい
  • 長期的なコスト削減を重視している

なお、「まずは委託で始めて、慣れてきたら自社支援に切り替える」という段階的アプローチも有効です。最初から完璧を目指す必要はありません。

まとめ

  • 特定技能の採用コストは初期費用40〜155万円/人+月額ランニングコストで構成される
  • 登録支援機関への委託費は月2〜5万円/人が相場。人数が増えるほど負担が増大
  • 自社支援+SaaSツールの活用で、支援費を大幅に削減できる可能性がある
  • 2026年の行政書士法改正により、委託コストがさらに上昇する可能性
  • 早期離職・更新費用など隠れコストも事前に把握しておくべき

コストだけで判断するのではなく、支援の質・人材の定着率・管理負担を総合的に評価することが重要です。特定技能と技能実習の制度比較も踏まえたうえで、「自社にとって最適なコスト構造は何か」を把握するために、まずは専門家に相談されることをおすすめします。

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丸忠物産では、特定技能人材の紹介からSMILEVISAを活用した自社支援への切替まで、ワンストップでご提案しています。「自社の場合いくらかかるのか」を個別にシミュレーションいたします。

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